ストレートの常識を変える「黒木式酸性ストレート」を完全習得し、オンラインサロンやセミナー等で酸性ストレート講師としても活躍中の「CHARLES DESSIN」のヨシダマヤさんに、X TREATMENTのメリットを最大限に生かした活用法を提案してもらう、この連載。

第2回は【番外編】ということで、売上ゼロから1年間で技術売上200万円、客単価2.5万円を超えるスタイリストとなったヨシダさんの、“結果を出せる美容師”として歩みを続けるためのマインドについて、お話を伺います。

CHARLES DESSIN | シャウルデッサン
ディレクター・マネージャー
ヨシダ マヤ さん

スタイリスト歴11年。入社後1年でシャウルデッサン店長就任。売上ゼロから1年間で技術売上200万円、単価2.5万円を超えるスタイリストへ。SNiP STYLe(2020年2月号)にて気鋭の女性デザイナーとして特集。

INSTAGRAM:@charlesdessin_maya.yoshida

—入社後一年でシャウルデッサン店長に就任されたヨシダさん。異例のスピード出世と言っても過言ではないと思いますが、客観的に見て、その理由はどういう点にあると思われますか?

「口で言うより、まず行動で示す」を実践したことでしょうか! まず、入社前から(シャウルデッサンの)代表の黒木のセミナーには、呼んでもらえればどこにでも行く、ほぼアシスタントのような形で参加していました。自分の休日や仕事が早く終わった日は、シャウルデッサンのサロンワークの手伝いに行き、自分が入社したタイミングで即戦力になれるように努めました。そういったことが、黒木との信頼関係の構築にも繋がったと思います。とにかく必死でしたね(笑)。

—素晴らしい行動力ですね。そもそもヨシダさんがシャウルデッサンに入社しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

初めて黒木のサロンワークを見た時に、どの技術においても妥協なく追求している姿を見て、これが本物の美容師だと思ったことがきっかけですね。誰にでもできることではないかもしれませんが、「お客様のためにひたすら追求する」「目の前の人を喜ばせることを最優先にする」というスタイルに共感し、この人の元でやっていきたい!と思いました。

—入社後、売上ゼロから1年間で技術売上200万円、客単価2.5万円を超えるスタイリストになれた、一番の要因は何だと考えますか?

酸性ストレートの施術をできるようになったことがかなり大きかったと思います。それに加えて、高単価のトリートメントメニューの施術ですね。シャウルデッサンでは、毎日髪の傷みまくったお客様が数多く来店されるので、「これはトリートメントを相当ブッ込まないと難しいですよ!」と当たり前にトリートメントするコースになっています(笑)。

その際、どのトリートメントを使うかについての提案は、放置中などにすることもありますが、なぜトリートメントが必要なのか、という話は、必ず最初に説明するようにしています。そして、必ず結果の出ることをする。そうすると、次に来店いただいた時には、お客様の頭から「トリートメントをしない」という選択肢はなくなっていることがほとんどですね。

—トリートメントの効果を実感したお客様がリピーターになっていくということですね。そう考えると、トリートメントを極めていくことの重要性の高さを感じます。

カラーやカット、ストレートなどはさすがに上限がありますが、トリートメントは回数を重ねるほど髪質が良くなるという付加価値が付けられます。工夫次第でいろんな手法が取れるという点でも、本気で極める価値のある施術だと思います。

—若いスタイリストやアシスタントの方でも、トリートメントの技術を高めることで、売上を上げることは可能ですか?

もちろんです! トリートメントの施術はそれほど難しい技術を必要としないので、髪質が良くなってきたということを感じることができて、なおかつ髪を丁寧に扱うことができれば、アシスタントでもできるメニューなんです。サロン側からすると、アシスタントの売上を作ることができるメニューといえます。シャウルデッサンでは、トリートメントの提案と施術をほぼ全てアシスタントがやっているので、アシスタントの売上だけで月200万円を越えてきます。

—お客様にとっても、サロンにとっても、「トリートメント」という施術は大きな可能性を秘めた存在なのですね。

そうですね! 「時代が美髪を求めている」とも言うべき昨今の美髪ブームにより、例えばシリコンなどでコーディングするだけの“洗ったら取れちゃう系“トリートメントではなく、残存性が高く、施術の邪魔にならない高単価トリートメントは、今後も引き続き需要があるんじゃないでしょうか!

—そして、ヨシダさんは女性スタイリストで初めて「黒木式酸性ストレート」をマスターした、通称「アシッドクイーン」でもあります。酸性ストレートを修得されるためにどういった努力をされてきたのでしょうか?

酸性ストレートは、技術面では普通の縮毛矯正の施術ができればなんとかなりますが(もちろん細かい技術の習得は必要)、何より知識と理解を深めることと、髪の質を見極めることが大切です。なので、理解するために毎日勉強をしていました。そして、ひたすら黒木の仕事を見て、質問しまくってましたね(笑)。理解してしまえば、あとは早かったです。

努力っていうと辛そうなイメージですが、「終わってみるとなんとかできた」と思うくらいで、「努力した」とか「しんどかった」という感覚はあまりなくて。基本、ポジティブ人間なんです(笑)! 私にもできたので、酸性ストレートをマスターする人は他にもどんどん増えてくると思います!

—酸性ストレートという“特技”を持ったことで、ヨシダさんの美容師人生に変化はありましたか?

自分に自信が持てるようになりました! 元々、パーマ系は全然理解できなかったんです。でも、酸性ストレートを知ることで、逆に知らなかった知識も知ることができました。さらに、“髪に対して真剣に向き合う”ということを本気で考えるようになりましたね。

—そんなヨシダさんの、髪に真摯に向き合う様子が垣間見えるのがインスタグラム。特にストーリーズで毎日アップされるツヤ髪動画は、「♯艶のばいんばいん」という独自のワードもあいまって印象深いです。あのワードはどうやって思いついたのですか?

「艶のばいんばいん」は、元々黒木がインスタグラムで使っていた「♯艶の滝登り」から着想を得ました(笑)。「滝登り」の時の動きが私にはなかなか難しくて、撮影しながらやると上手くいかなかったので、コームで簡単にできる動きにアレンジして、サロンでもよく使っていた「ばいんばいん」というワードを冗談半分でネーミングしたものです! いつの間にか皆さんに使っていただいて、美容師さんからの認知度も上がりましたし、お客様からも「インスタで見たやつだ!」と反応していただくようになりまして、ありがたいですね!

—お話を伺って、溢れるバイタリティとポジティブ精神が、“結果を出せる美容師”たる所以だと思いますが、ヨシダさんはどういうことに注力しながら、美容師として日々過ごしていますか?

まだ自分の中では成果を出し切ったとは思っていませんが、毎日自分をアップデートして進化していかないといけないと思っているので、前より上手くできるようになるためにはどうするかとか、いろんな手法を思いつくように、思考を止めずに過ごすようにしています。

美容師という仕事は技術職である前に接客業、そして人と向きあう仕事だと思います。なので、まず愛される人間であること。そして、愛される人間であるためには愛せる人でないといけないと思います。来てくださるお客様のために愛を持って尽くすことを第一に考えています。

—お客様の満足度を追求するために一番大切なことは何だと考えますか?

愛と気配り! これに尽きると思います。愛があればその方を大切にするし、ちゃんと髪と向き合って、ベストな提案も思いつくことができる。まずはそこからだと思います。その上で、お客様がサロンで過ごす大切な時間に不快なことが起きないようにするとか、こういう一言をもらったら嬉しいだろうなと思う言葉を掛けるとか、そういったことをひたすら繰り返していく。さらに、そこに技術が加われば、満足度は得られると思ってます。

なので、技術のクオリティを高めるために、クリエイションの仕事にも積極的に参加するようにしています。コンテスト作品はデザイン力や激しいブリーチを必要とする作品も多く、その中で髪をどうやって綺麗に見せるかなども問われるので、身になることが多いです。コンテストスタイルをそのままお客様に落とし込むことはほぼありませんが、テクニックを部分的に応用したりはできるので、やっててよかったです!

—多忙な毎日かと思いますが、休日はどんな風に過ごしていますか?

美容師である前に人として面白みのある人間でいたいので、興味があることには片っ端から首を突っ込むようにして、いろんな経験を積極的にするようにしています。旅行やグルメ開拓、ショッピングなど趣味は多い方なので、暇さえあればアクティブに動き回ってます!

お酒も好きなので、飲みに行って横の席に座っている他のお客さんやお店のスタッフさんと仲良くなって、異業種の方たちのお話を聞かせてもらったりすることも。サロンというのは情報が集まる場所なので、そういう意味でも毛髪以外の情報を提供できるよう、いろんな方と関わるようにしてます。

あとは、「クロスフィット」というそこそこハードな種目のジムにハマっていて、めちゃくちゃ自分を追い込みまくってます(笑)。運動すると、ストレス発散になるし、新しい自分を発見できるし、身体も疲れにくくなり、とにかくいいことづくめ! 元々かなりの肩凝り持ちだったのも解消されましたし、体幹を鍛えることでサロンワークの施術中の姿勢も良くなりました。ジムで組まれているメニューはかなりしんどいですが、メンタル面も鍛えられてます。常に自分との戦いですね!