ストレートの常識を変える「黒木式酸性ストレート」を完全習得し、オンラインサロンやセミナー等で酸性ストレート講師としても活躍中の「CHARLES DESSIN」のヨシダマヤさんに、X TREATMENTのメリットを最大限に生かした活用法を提案してもらう、この連載。
第4回のテーマは「ダメージヘアのレスキュー」第2弾。縮毛矯正と毎日のアイロン使用の繰り返しによるダメージヘアを、X TREATMENTとトリートメントヘナを併用することで、極上の質感に仕上げていきます。
CHARLES DESSIN | シャウルデッサン
ディレクター・マネージャー
ヨシダ マヤ さん
スタイリスト歴11年。入社後1年でシャウルデッサン店長就任。売上ゼロから1年間で技術売上200万円、単価2.5万円を超えるスタイリストへ。SNiP STYLe(2020年2月号)にて気鋭の女性デザイナーとして特集。
INSTAGRAM:@charlesdessin_maya.yoshida
より繊細なダメージ毛を修復するX TREATMENT +αの活用法
—今回のテーマは前回に引き続き、「ダメージヘアのレスキュー」です。ヨシダさんに、縮毛矯正と毎日のアイロンの使用でダメージを受けた髪を、X TREATMENTともう1アイテムを併用することで、美髪に導いていただきます。
こんにちは! CHARLES DESSINのヨシダマヤです。
今回の「X TREATMENT最強活用術」は、縮毛矯正とアイロン使用の繰り返しによりダメージしてしまった髪の毛を、X TREATMENTとトリートメントヘナを使用して質感をあげていきます!
トリートメントヘナを使うことで、X TREATMENTに含まれるタンパク質やケラチン、コラーゲンといった成分を、髪にしっかり吸着する効果が生まれるので、その部分を注目して見ていただきたいですね。
そしてさらに今回、ダメージしやすい軟毛の方や、細毛で切れやすいデリケートな髪質の方を、ダメージさせないテクニックについてもフォーカスして解説していきたいと思います!
ではどうぞご覧ください↓↓↓
—ダメージ毛+細く切れやすい繊細な髪質の場合のX TREATMENTのアプローチということで、どういう施術が最適なのでしょうか?
今回のモデルさんはかなりロングの方で、過去にアルカリの縮毛矯正をしていて、うちのサロンに来られて以降はずっと酸性ストレートをさせてもらっているお客様です。ただアイロンも頻繁にされるので、それなりにダメージがあります。細くて軟らかい繊細毛なので、ちょっとしたダメージでも大きなダメージになってしまい、切れてしまったり断毛しやすいタイプの髪質ですね。
この場合は、X TREATMENTを通常通り行っていくのですが、元々うちのサロンでもX TREATMENTの施術をさせていただいているので、髪の毛のポテンシャル的には良くなっている状態です。ですので、そんなに回数を重ねなくても髪の毛の質感は上がってきやすくなっているので、3回転した後にトリートメントヘナを入れていきたいと思います!
—前回はダメージヘアの救済テクニックとして、回転数を増やすワザをレクチャーしていただきましたが、今回は前回より少ない3回転でも質感は上げられるということですね。
X TREATMENTを継続して使用することにより、トリートメントの成分が毛髪の中に必ず残ってくるので、よっぽどダメージがあった場合(例えば、ハイブリーチをしたり、薬剤選定を失敗してかなり傷めてしまったり)以外は、そんなに回数を重ねなくても髪質が安定しているので、トリートメントの回転数は3回転くらいで十分ですね。
そして今回、X TREATMENTとあわせて「ヘナ」を使用します!
ヘナというと白髪染めとかに使うイメージを持たれる方が多いと思いますが、ヘナ自体はトリートメント効果が高く、染料が入っているものは髪の毛が染まってしまいますが、今回使用するのは無色のトリートメントヘナです(ちなみに、見た目は緑色をしていますが無色です。これは葉っぱそのものの色です)。これをダイレクトに(x01〜x04を塗った髪の)上からつけていきます。
—トリートメントヘナは髪にどのような効果があるのでしょうか?
効果としては、ヘナの中にはタンニンがものすごく凝縮されて入っているため、タンパク質の吸着力を上げてくれます。タンニン自体はx01とx02にも入っているので、トリートメントヘナを併用することで、髪の毛の中にタンパク質をより一層絡みつかせて、定着させてくれるんです!
それにより、ハリやコシも出やすくなるので、髪の毛をしっかりさせたい方、切れ毛が止まらない方、今日のモデルさんのような元々髪が細くて切れやすい方は、トリートメントヘナをあわせてやることで、髪がかなり強くなった感じが出せると思います。
今回のモデルさんも、X TREATMENTとトリートメントヘナの合わせ技でここまで美髪になりました!
〈before〉
〈after〉
施術後は、髪の毛にしっかりとした弾力が感じられて、ハリ、コシが出てきました。
髪のツヤ感がより伝わる、恒例の“ばいんばいん動画”でもご堪能ください!!
—パサつきが改善して、ツルンとまとまりのあるツヤ髪になってますね! 切れ毛も目立たなくなってます! 素晴らしいですね。是非この技、伝授していただきたいです!具体的には、どのタイミングでトリートメントヘナを使用するのでしょうか?
施術の流れ
①x01〜x04を塗布
↓
②乳化させて流す
↓
③タオルドライ
↓
①〜③をあと2回転する
↓
トリートメントヘナを塗布
↓
放置して流す
↓
シャンプー&コンディショナー
↓
タオルドライ
↓
乾かして完成
ヘナの話から少し逸れてしまうのですが、X TREATMENTの施術について、最近よく聞かれることがあって、まず、「1回転ごとにシャンプーは必要か」ということで、基本的にはシャンプーは最後の一回だけで大丈夫です。
例外としては、
○回転数が多くなった時に、途中で質感がよくわからなくなってきた場合。
○x04をつけすぎた時に、髪が収れんするので硬くなって分かりにくくなった場合。
の2パターンがあります。そういう時は一回シャンプーを入れると、表面に付着している不要な物が取れて、質感が分かりやすくなります。慣れてきて、手触わりで把握できるようになったら、最後の回転の時だけでいいです。一番最後に仕上げる時には、いらない物を取るイメージでやりましょう。
もう一つ、よく質問を受けるのが、
「x04を塗布した後は毎回時間を置いて放置するのか」ということなんですが、放置もある程度回数を重ねた後でいいです。もしくは1回転で終わる場合は、x04をした後に普通に放置すればOKです。
何回転かやって、想定通りに質感が上がってきて、これ以上は良くならない、というくらいまでやりこんでいる方の場合は、放置時間を取らなくても全然よいかと思います。必要に応じて放置するかしないかは判断する感じですね。
スチーマーなどがある場合は、放置の時に入れるとより効果は上がるかと思いますので、そういう機械をお持ちのサロンさんは入れられるといいかと思います。
—なるほど、参考になります! それでは、トリートメントヘナを使用する際の注意点も教えていただきたいです。
いくつかあるので、以下にまとめました!
希釈について
カラー剤として使う際は、もう少し粘性が高くなるように、希釈をそこまでせずに使うと思いますが、今回はトリートメントで使用するので、ゆるめでも効果が薄まることはないので問題ないです。
塗布の仕方について
ヘナ自体はなるべくピタッと固めて塗布したほうが、浸透圧で髪の毛の中に入っていってくれるので、効果が出やすいです。ヘナがタンパク質を髪の毛の中に留めてくれるのをイメージして、なるべくボテッと塊でつけていきましょう。
特に切れ毛が多い方の場合、原因となった施術の履歴が分かっていれば、多分「この辺が切れやすい」というのがあると思います。そこにしっかり付着するようにつけてあげましょう!
放置時間について
ヘナ自体は薬剤ではないので、正直何分置いてもよくて、15〜30分くらいは置いても構わないです。まぁでも、その時のサロンの状況にもよるかなと思うので、ちょっと混んでいて長く放置したい場合は長めにほったらかしてもいいと思いますし、早くあげたいなという時は10〜15分くらい放置して流せるといいかなと思います。
使用後に髪が硬くなりすぎた場合
ヘナの効果が最大限に発揮された時に、髪がギュッと硬くなることがあります。その場合は流して、シャンプーとトリートメントをした後にもう1回転するか、x03(CMC)をしっかりつけると柔らかさが戻ってきます。
このギュッとして硬くなった時の髪の軋み感を、傷んだ感触と勘違いされる方もたまにいらっしゃるんですが、これはヘナの効果によってハリとコシが出た、良いほうのザラつき感です。
—また、切れやすい髪を切れにくくするための髪の毛の触り方の極意も詳しく教えていただきたいです。
繊細な髪質の方の場合は、施術中の触り方でダメージさせてしまうことがあります。極力テンションをかけない、引っ張らないというのが大事ですね。
施術中の要注意ポイントを以下にまとめました。
トリートメント塗布中
毛束を握りながらトリートメントの栄養分を浸透させるようにしていくのですが、この時も、テンションが掛かるような引っ張り方をすると、その時点で髪の毛に負荷がかかってしまうので、気をつけながら触ることが大切です。
タオルドライ中
とにかく摩擦に弱い髪質なので、タオルドライの時も気をつけて触るようにしましょう。ダメージが極力発生しないように、引っ張らず、擦らず、押さえるようにしてタオルドライしていきます。
毛先に絡まりがある場合
今回のモデルさんのように、ロングヘアでダメージされている方の場合、毛先が絡まってしまうこともあります。無理に指を通して引っかかってしまうと、その時点でテンションがかかってしまうので、トリートメントを浸透させながら、手櫛で絡まりを解いていって、なるべく絡まない状態に持っていくのが大原則。
クセのある髪質の場合
クセがある髪の場合、根元から引っかかってしまう場合があるので、根元の触り方にも気をつけましょう。「傷んでいるわけではないけど引っかかる」というのは、クセが起因して引っかかっていることが多いです。
—最後に、切れやすい髪にトリートメントをする際に心掛けるべきことはありますか?
まず、切れにくい髪の毛にするためには、髪の毛の結合がしっかりしていることと、髪内部に入っているタンパク質の含有量を増やすことが必須なので、そういう髪質をイメージしながら作っていきましょう!
今回のモデルさんはかなり軟毛なので、x01のケラチントリートメントをしっかりつけることで、硬めの毛質に変わってきます。
そして、髪のどの部分が傷んでいるかを注意しながら触っていくのがとても大切です! 軟毛で繊細な髪質の方の場合、フェイスラインの髪自体が元々細くて弱かったりするのと、ご自身で一番アイロンを通されるのがフェイスラインだったりすると思うので、ここにもトリートメントをしっかりつけていきましょう。実は、髪の毛で一番傷んでいるのがこの部分だったりすることが多いんです!
今回、X TREATMENTを3回転していますが、1回転目が終わった時点で、質感がかなり上がってくるポテンシャルはあります。ダメージしていて断毛しそうな箇所はフェイスラインと中間毛先だったので、2回転目と3回転目はその部分を中心にトリートメント施術をしました。
よく「毎回同じ工程でいいのか」という質問を受けるのですが、確かに言葉で表すと、x01〜x04の順番につけて、流して、タオルドライして、またつけていく、という表現になってしまいます。しかし、実際やっている時の感覚としては、傷んでいる部分や、どれくらい直ってきたかというのを考えて、つける量や部位、どこを重点的にやっていくのかなどは変えていきます。
例えば、根元寄りの健康毛は1〜2回転すると、よっぽどダメージしている方じゃない限りは、余裕でツヤツヤになるくらい質感が良くなるので、ダメージしやすい場所、特にダメージを感じる場所に重点的に施術していくという感じで、工程を変えるというよりは付け方を変えていくといいかと思います。
あとは、私は施術中もなるべく髪の毛が整っていて綺麗な状態を作るように心掛けています。髪がダマになっているとトリートメントの浸透がムラになったりすることもあるんですよ。
—解説ありがとうございました! 次回は、ブリーチによるポーラスの対処法を教えていただきます。お楽しみに!